【12月22日冬至に講談社から発刊予定の新メディアTropic。多様な記事をご紹介!⑥&⑦】

松岡正剛、最終講義
「意識」と「情報」のあいだから、社会を問い直す

セイゴオ再生成
「編集する師匠」を弟子が再編集してみるとby和泉佳奈子

僕(編集長カクタ)は、松岡正剛の著作に20代で触れ、衝撃を覚えた。そして憧れ、嫉妬し、尊敬し、正剛さんのように生きようと想ったのであった。
正剛さんのあらゆるヒトモノコトを縦横無尽に思考し実践する編集工学。知のスペシャリストではなく知のeditor、彼の敢えて専門性に特化しない姿勢、それは時に専門家や研究者からは衒学的と揶揄されたりもするが、それは彼にとっては”意図的”だったんだと僕は想う。意図的に専門性に特化しない、強いて云えば、ジェネラリストのスペシャリストという雑多でありノイズを遊ぶ生き方は、僕にとってはバラエティプロデュースとなった。
正剛さんが雑誌「遊」を創刊したのが30歳の時、編集工学研究所を創設したのが43歳の時、千夜千冊を始めたのが56歳の時。
僕は、そんな正剛さんの知の営みに憧れ、やがてトレースするようになる。
そんな想いは、僕にいつしか”雑誌”を創りたくさせたのでした。


2016年の『オトナの!』最終回のゲストは松岡正剛。初めての邂逅。
正剛さんは番組の最終回で、「オトナの終わり方」というテーマで語ります。
「“始末”って言葉がありますよね。“始まり”と“末(すえ)”って書きますよね。そういう風にビギニングとエンディング、プロローグとエピローグというのは一緒だと思うんですよ。だから歌舞伎役者が最後に舞いたい踊りは、自分を目覚めさせた踊りかもしれないわけで、僕にとって大事な終わりのメッセージというのは、始まりが感じられるものですね。」

昨年夏、正剛さんのマネージャーであり秘書であり弟子である和泉佳奈子さんと久々お会いした。
「僕は、正剛さんに憧れて、『遊』のような雑誌を創りたいのです」
和泉さんはそれに賛同してくれて、正剛さんに寄稿をお願いしようと盛り上がった。
けれど数日後、正剛さんは逝ってしまわれた。

僕は、正剛さんの終わりを、始まりにしようと決心したのでした。
僕も正剛さんのように、「知」で遊びまくろうと決めたのでした。
雑誌『Tropic』が、12月22日、南回帰線で太陽が回帰する冬至の日に、発刊します。
そこに、正剛さんの僕らへの「最終講義」を、掲載させていただきました。それは、最終講義ですが、始まりの講義です!
そして、「セイゴオ再生成」、和泉さんに僕らの知らない”秘密の正剛さん”を綴っていただきました!
松岡正剛が遊ぶ「最終講義 意識と情報のあいだ」「セイゴオ再生成」
正剛さん、まもなくです!

IMG_2961.jpg 998.07 KB