『富野由悠季の世界』(2019)を熟読。
巡回展の図録。かなり深く富野監督の思想が読み取れた。そういえばこんなにも図録という書籍を熟読したのははじめてかもしれないw
おもしろい観点は鬼のようにあるけれど、急に監督を任されたザブングル立ち上げ時のアイディア捻り出しエピソードが秀逸。
「ザブングルの塊」富野由悠季
こういう時に限って企画は一晩、いや、半夜もないという皮肉なめぐりあわせに、多少おちこみもした。
ロボット物らしく創る要素は、ロボットを動かしてもいい世界観をつくることであるという一点に絞り、三時間ほどその事を考えていった。が、先にある企画書を読むだけではヒントはなかった。
で、いい加減、危機感に悩まされ、風呂に入ってみる、体操をしてみるとやるのだが、十二時になっても、ガソリンで動くロボットにする条件しか思いつかなかった。
アイディアというものはこんなものだ。矢立は西部劇にしろといっていたな、という事を思い起こし、場合によってはもう一晩泊まってやろうか、と考えていた時に、西部劇なら荒野、荒野なら地球全てを荒野にしてしまえと思いついた。
ならば、なぜ地球全てが荒野になったのかを考えてみたが、これはSF的にも不可能らしい… 。が、いい、とにかく、一度、全地球的な破壊があって、再生すべく戻った人類がいかに生きてゆくか、生きつづけてゆくのかの活劇にしようと思いついたのだ。
こうなるとものの二時間とかからずに、基本的な世界設計ができた。
2025/10/19 23:08
